→「あとがき」
ガイドブック(PDF)へ
あとがき ーサイエンス・フェスタ2021ー
あとがき
 人類の歴史を振り返ると、紀元前から現代に至るまで、人々は時代とともに様々な疫病や感染症と闘ってきました。「近代免疫学の父」とも呼ばれたエドワード・ジェンナーが牛痘種痘法を開発して以降、人々は目に見えない様々な感染症の流行に遭うたびに、ワクチンを開発したりインフラといった社会構造を変革したりしてそれらを乗り越えてきました。
 2020年から流行している新型コロナウィルスによって、私たちとって今までの“当たり前”が当たり前にできなくなったことに流行当初は衝撃を受けていたのではと思います。しかし、時間が経つにつれ、社会では様々な感染症対策がとられ、人々が文化的で健康的な生活をする工夫がなされている最中であります。
 昨年度の「青少年のための科学の祭典大阪大会」(サイエンスフェスタ)は中止になりましたが、今年度は、開催に向けて様々な意見を出し合って、初めてYouTube動画や文書資料などを用いたオンライン開催となりました。出展者の方々には、初めての「動画の撮影による出展」にご理解、ご協力いただき心より御礼申し上げます。動画では、出展する内容をただ見せるのではなく、「わかりやすく伝えよう」「おもしろそうと感じてもらおう」と視聴する人の立場を考えて作成されており、各動画で作り手が工夫していると感じられました。
 本来であれば、サイエンスフェスタでは、多くの実験やものづくり、科学のおはなしといった不思議に直に触れることが大きな魅力です。人々の対面を通して、実際に体験してみたり疑問を投げかけてみたりとすることで、それらの不思議に対する学びを深めることができます。今年度はオンラインによる開催になりましたが、オンラインには、繰り返し見たり、時間にとらわれずに知り得たりと、オンラインならでは“良さ”もあります。いずれの方法においても、お子様自身がそれらの不思議に出会うことで科学に興味や関心をもつきっかけになればと思います。加えて、保護者の方々にも展示内容等に触れて科学を楽しんでいただき、お子様とともに科学の面白さ、楽しさについて語り合っていただければと思います。

 あとがきの結びにあたり、いつか感染状況が改善に向かい、賑わい活気あるサイエンスフェスタが再びできることを願って止みません。この大会に対して深いご理解とご支援を頂戴した関係者の皆様方には、心より感謝と御礼を申し上げます。



2021年8月
「青少年のための科学の祭典大阪大会」2021
実行副委員長八島 昌大