科学のおはなし ーサイエンス・フェスタ2022ー
大会1日目
8月20日(土) 13:00 - 14:30
新型コロナってどんな病気?
- ウイルスやバイキンによる感染症の話 -


忽那賢志 くつなさとし
大阪大学
医学系研究科 感染制御学講座 教授
医学部附属病院感染制御部 部長
感染症総合教育研究拠点(CiDER) 人材育成部門 副部門長
 新型コロナウイルス感染症の流行によって、感染症という病気が注目されるようになりました。
 そもそも、感染症とは何でしょうか。感染症とは、細菌(いわゆるバイキン)やウイルスなどの病原体がヒトの体内に入り増殖するものを指します。感染症の最大の特徴は、その名の通り「感染」することです。つまり生物から生物に伝播していくことが感染症の最大の特徴です。
 感染症は人が誕生したころから脅威であり続けてきました。例えば、天然痘は紀元前の頃から人々を悩ませてきましたし、東大寺の大仏が建立された理由の一つとして天然痘の流行がおさまることを願って作られたとされています。天然痘以外にも、世界ではマラリア、結核、ペスト、コレラなどたくさんの感染症が流行してきました。特にペストは14世紀のヨーロッパ人口の3分の1の人が亡くなったと言われています。
 新型コロナウイルス感染症の流行は、まさに100年に一度の感染症の大流行と言われます。この感染症によって私たちは様々な課題に直面しました。これらの課題の中には解決されてきたものもありますが、未だ解決されていないものもあります。我々はこの感染症にどのように立ち向かっていけば良いのでしょうか。
忽那賢志 教授 略歴:
2004年 3月
山口大学医学部卒業
2004年 4月
関門医療センター 初期研修医
2006年 4月
山口大学医学部附属病院 先進救急医療センター
2008年10月
奈良県立医科大学附属病院 感染症センター医員
2010年 4月
市立奈良病院 感染症科 医長
2012年 4月
国立国際医療研究センター 国際感染症センター フェロー
2013年10月
同 国際感染症センター 医員
2018年 1月
同 国際感染症センター 国際感染症対策室医長
2021年 7月
大阪大学大学院医学系研究科 感染制御学 教授
大阪大学医学部附属病院 感染制御部 部長
感染症総合教育研究拠点(CiDER) 人材育成部門 副部門長